新国立競技場は、なぜ一週間で結論を出さないといけないのか?

新国立競技場問題について、久々に前向きなニュースが入りました。

新国立デザイン見直し「1週間で結論」(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150622-00000234-sph-soci

ここまでわかっていなかったのか、責任取りたくなくて見て見ぬふりをしていたのか、徹底抗戦を貫いて心中を決め込んでいたかに見えた下村文科大臣がここにきて急転換。当たり前ですけど、官邸含めた上層部が、これはほっておけないと事態の収拾に乗り出したとみるべきでしょうねー。少なくとも、改善の意思を示したということは大きいです。ようやく、建設的な議論の元、改善案が検討されていくと思います。

ただ、「一週間で結論」とか。
なんでしょーねーこの焦りっぷり。散々引っ張ったくせに、改善案決めることなんて一週間で出来るんでしょうか、という疑問はさておき、なぜこんなに急いでいるのでしょうか。これを紐解くために、ロンドンオリンピックのスタジアム建設にかかった時間を参考に、スケジュール表を引いてみることにしました。

じゃじゃん。
ちょっと情報の正確性が低いため、「こんなに設計かからないよ!」とか、異論はあるかも知れませんが、大枠の理解はあっているかと思います。
で、これを見るとなんと・・・。そう、既に大問題になりそうな予感ですね。オリンピックの一年前にはラグビーワールドカップが予定されています。ところが、ロンドンオリンピックと同程度の内容になった場合でも、既に4ヵ月ぐらいの遅れが想定されてしまうんですね。
おそらく、施工会社の担当者は「もう、今月発注してくれないと絶対間に合いませんからね!」と、相当の文句をJSCに言っているのだと思います。とにかく契約、とかふざけた話をのたまわっていたのも、このタイトなスケジュール見通しが原因なのでしょう。

このスケジュールを見ていると、下村文科大臣の言う「ゼロからの見直しはしない」という発言も、決してこの後に及んで全面見直しで責任を取るのがイヤだから、というわけではなく設計期間を可能な限り短く抑えて工期を間に合わせたい、という心理があるんじゃないかと思っちゃいますね。

ニュースでは、ラグビーW杯の開催場所を別にするとか、なんかいろいろ策を考えていることらしいと書かれています。ヘンにこだわって全体でコケるより、きっちり見直して良い建物を作ってもらいたいと思います!

追記
なんと、元案で行くという報道がw
新国立競技場、アーチを維持 総工費900億円増(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150624-00000011-asahi-spo

こういう報道が左右でフラフラするのも、ギリギリのスケジュールで担当者がびびってる、というのがあるかも知れません。