大雨被害は温暖化の影響?

不思議な天気が続きますね・・・。
残暑が影も形も見当たらない2015年ですが、とどめの一撃とばかりにものすごい大雨被害です。特に、鬼怒川周辺では河川氾濫の影響でものすごいことになっている様子。

鬼怒川氾濫、冠水で身動きできず…救助要請多数(読売新聞) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150910-00050094-yom-soci

被害の全貌はわかりませんね・・・。大変なことになりました。

さて、こういった集中豪雨被害ですが、地球温暖化の影響だと言われることが多いです。温暖化の原因が温室効果ガスということを認めない人はいても、現在地球の気温が上昇中であり、それにともなう気象変動までを否定する人は少ないのでは。

さて、ところで、温暖化が進むとなぜ雨が降るのか?ということについては、こちらの国立環境研究センターのHPにわかりやすくまとまっています。

http://www.cger.nies.go.jp/ja/news/2013/130911.html

気温が上昇するため、大気中の水分が増え、結果として雨が降りやすくなっているということなんですね。以前は温暖化の進行により水面上昇、、、という説もありましたけれど、実際には大気に余分な水蒸気がたまり、大雨の原因になっていると考えたほうがよさそう。

さて、実際気温の上昇で降水量は増えているのか?という点については、下記がとってもわかりやすいです。

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/info/heavyraintrend.html

この図は、1970年代から集中豪雨が日本で何回観測されたか、をまとめた図です。50mm、80mmの二つの観測データいずれも思いっきり増加傾向にあることがわかりますね。。。

首都圏でこんなんあったら大変だろうなぁ。

とはいえ、暴風のピークはこの9月10月ごろでしょうから、そしたら一息つけるはず。本格的な温暖化対策を取っていただきたいものです。

天津爆発現場ではウサギじゃなくてカナリアを飼うべき!

さて、お盆もあけて、夏休みボケを解消すべくつらつらとニュースを見ていたらこんなものを発見。
天津爆発事故のニュースです。

「天津爆発現場にウサギ・ニワトリ、不安和らげる意図か」
 News i - TBSの動画ニュースサイト

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2568561.html

なんか、こんなオリに入れられちゃってウサギさんが大変可哀そうなイメージ。
たったの2時間置くだけで何がわかるのか、と中国の場当たり的対応に非難が集まっている様子です。

ただ、こうした毒物などの被害を確認するのに生物を使うという手法自体は一般的。
なぜかというと、生体を超えるような高精度でリアルタイムに計測できる検出装置って作られてないのですよね。
お金もかかりますし。

良く知られているのはこちら、炭坑のカナリア
カナリアといえば、鳥籠の中でしか生きられない儚げなイメージで人気の鳥ですが、1900年ごろの炭坑では、有毒ガスを検知する目的でカナリアを使ってました。
弱いカナリアに異常があれば、その時点で人間が脱出すれば助かると。カナリアにとっては災難な話ですけれども。

有害物質をマルチに計測することは、一つの検出装置では難しいため、生体への安全性を確認するという意味では、同じ生体を使うのは大変合理的です。
実際、日本でもこんな方法が使われているそうです。


水質自動監視装置

http://www.kankyo-densi.com/bioassay/nba03.html

この装置のセンサーとなるのは、なんとメダカ!
20匹ぐらいを装置に入れておくと、メダカはその中で暮らすわけですが、それを監視カメラでモニターし、異常を自動検知するそうです。
日本でも、各地の水道局が導入していて、飲料水の安全性に大きく貢献しているとのこと。
なんかカッコいいですよねー。

中国様も、どうせやるならこういうちゃんとしたやり方でやれば良かったのに・・・。
あんなやり方で安心してもらえると、どうして思えるのか不思議で仕方ありませんね。

地球温暖化って原発推進派の陰謀?

暑いですね。
この時期、熱中症などのニュースが相次いでおりますので皆様にはぜひお気をつけ頂きたく。。。

さて、地球の気温が上昇する「地球温暖化」現象ですが、世の中には警鐘をならす派とそんなんマヤカシだよ派が存在していて、なんというか改めて地球規模の環境問題って難しい問題なんだなぁと思います。

そんな二派の争いを象徴する二つの異なる記事を取り上げてみました。

なぜこんな暑い夏になったのか…究極の原因が判明 : ギズモード・ジャパン
http://www.gizmodo.jp/2015/07/post_17769.html @gizmodojapanさんから

「2030年にミニ氷河期」大論争 英研究チームが衝撃警告…疑問視する声も(SankeiBiz) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150721-00000501-fsi-bus_all


上の記事は、地球温暖化の原因が2酸化炭素にあるという記事で、下の記事は太陽パワーが落ちるのでむしろ氷河期がきちゃうよ記事。ニュースとしては下の方が眉唾っぽい感じですが、仮説としてそういうことはあるんじゃないかと思います。常温核融合とか、そういうネタに比べたらはるかにマシな部類じゃないでしょうか。

さて、みなさん結局地球温暖化ってあると思いますか?
日々の報道や気温が上がってる個人的実感を元に「地球温暖化は進行している」と考える人と、それってそもそも地球温暖化じゃなくてヒートアイランド現象だったりエルニーニョ現象だったりで、地球温暖化なんて地球規模の環境変化はウソ!と思ってる人がいるんじゃないかと思います。
実際、地球温暖化を支持するニュースや研究結果が発表されるたび、それに退避するように温暖化は起きてないとか、気温上昇は止まった、みたいなニュースも同時並行で流れたりして・・・。

上記、ギズモード・ジャパンの記事にあるNASA地球温暖化データ見たって「どうせアメリカの陰謀でしょ」という人もいらっしゃると思いますから、ここは我らが日本の気象庁のデータを元に、実際気温が上がっているのかいないのかを見てみましょう。都市部とそうでない箇所10箇所を選んで集計してみました。

まずは大都市である東京・大阪の二拠点

さすが大都市、ばっちり気温上昇しています。ヒートアイランド現象と言われるのも頷けますね。
ところが、ここ数年は上昇率が下がっているのも見てとれます。

次に、山を見てみましょう。阿蘇山と富士山。

計測開始時期から見ると上がっており、2000年あたりから見れば少し下降気味。
上昇幅は都心部に比べると低いですねー。

次は島です。久米島宇和島

山と同じようなカーブですね・・・うん。

観光地とかも見てみましょう。軽井沢と金沢。

これ見ると、金沢ってずいぶん暑くなってるなと・・・。都市化が進行してしまったんでしょうか。

最後に南と北、稚内種子島

こちらも・・・同様な感じですね。

じゃじゃん。
これを見ると、おおむね3つのことが言えると思います。

1.長期的に見た日本の気温は都市部・地方関係なく全体的に上昇。
2.都市部の気温上昇幅は地方エリアに比べて多い。
3.直近の気温上昇は鈍化、あるいは下降に転じていると見えるところもある。

これで双方の主張が明らかとなりました。
地球温暖化支持派は、1の長期的な気温変化を元に警鐘を鳴らしているのであり、安全だといっている人たちは3の直近の均衡あるいは下降トレンドに注目して楽観論を唱えているのでは。どちらもデータを見るとそれなりの根拠があるように思います。

私は地球温暖化を心配する派なので一言付け加えますが、これはあくまでも海洋国家である日本に限った話であり、さらなる二酸化炭素増加によって、この階段を一気に登る年があるのではないかという説に一票投じたいと思います。

とりあえず省エネとかそういうことに気を付けて、これ以上暑い夏が来ないことを心から願っています!

※集計データについて
気象庁の観測データ(過去の気象データ・ダウンロード)より、1900年〜2014年までの3ヵ月平均気温を使用した。
1-3月 4-6月 7-9月 10-12月の4データの平均を年間平均データとみなした。
データに欠損があった月はブランクとした。

追記
と、こんな素人分析ではなく気象庁専門家の気温変化データがありました・・・上昇傾向がわかりやすく説明されているかと!

http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/diag/nenpo/index.html

紫外線と放射能。学校のプールで日焼け止めは必要!

夏ですね!
夏と言えば紫外線。紫外線と言えばこのニュース。

学校のプールで「子どもの日焼け止め禁止」…あなたは賛成?(女性自身) - Yahoo!ニュース
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150715-00010004-jisin-soci

学校のプールに、日焼け止めを塗って入ってはいけない、ということについての問題提起の記事です。
なんでしょうね、このザ・お役所仕事的対応は・・・。

日本社会はとにかくきれい好きというか健康志向というか。
国中にそうしたムードが蔓延していて、やもすると放射性物質への過剰な反応にもつながっちゃってる気もするわけですが、紫外線についてはあまり気にならないんでしょうかね、なんか不思議です。

ちなみに、紫外線は英語で ultraviolet rays と書きます。
放射線は radial rays ですよね。あれ、何か似ていませんでしょうか。

いわゆる放射能と呼ばれるものは、放射線を放出する能力のある物質。
この放射線というものには種類があります。
X線・アルファ線ベータ線ガンマ線中性子線ですね。
このうち、アルファ線はヘリウム4の原子核ベータ線は電子そのもの、中性子線はその名の通り中性子

そして、紫外線の仲間とも言えるのが、X線とガンマ線
光は電磁波の一種なわけですが、目に見える光と目に見えない電磁波は何が違うのかというと「波長」が違うのです。

とってもわかりやすい図がJAXAのサイトにあったのでペタリ。
http://astro-h.isas.jaxa.jp/challenge/x-ray/

ほら。放射線と同じ系譜に連なる光線なのか・・・って思うとちょっとは気にしますよね。
もちろん、紫外線はX線やガンマ線のレベルほどには人体を透過しませんが、それでも、直接紫外線を浴びている肌の表面は、放射線に被ばくしているのと同じような状況が発生していると言えます。(逆に言えば、浴びる量が少なければ放射線被ばくだって日光浴みたいなものですw)

じゃあ、子どもにとってどのぐらいリスクがあるのでしょうか。
これについては、WHOがガイドラインを発表しています。
http://www.who.int/uv/intersunprogramme/activities/uv_protectchildren/en/

WHOの原文は英語ですが、それをさらに翻訳して掲載してくれているサイトもありましたのでこちらもご紹介。
http://www.shigaisen.com/#!who/c7mj

箇条書き部分を引用するとこんな感じです。

1、 子供時代は細胞分裂も激しく、成長が盛んな時期であり、大人よりも環境に対して敏感である
2、 子供時代(18歳未満)の日焼けは後年の皮膚がんや眼のダメージ(とくに白内障)発症のリスクを高める
3、 生涯に浴びる紫外線量の大半は18歳までに浴びる
4、 紫外線被ばくは、免疫系の機能低下を引き起こす
5、 子供たちは室外で過ごす時間が多いため、太陽光を浴びる機会が多い

どうですか。
特に、1番と2番は重要です。
大人になって紫外線を浴びるよりも、細胞分裂の激しい子供時代のほうがリスクが高く、かつ将来のリスクを高めてしまうんですねー。

福島がどうとか、あれこれ言う前に、学校のプールぐらい紫外線対策をしたらどうなんでしょうか。
日焼け止めをしないで屋外に出るのは、喫煙と同じぐらいの害があると思うんですけどどうなんでしょうね。

もっと言うと、日差しの強い日には、子どもだってサングラスをしたっていいんじゃないかなと思います。
サングラスって、ちょっとファッション性もあるので、日本では素行不良的にみられることも多いみたいですけれど、紫外線リスクが明らかなんだから通学時に子供がサングラスをしていたって別にいいんじゃないかなぁ。

でも通学用サングラス、とか。学校指定とかじゃカッコ悪いかもですね(^^;

※ちょっぴり追記
例えばビタミンDを生成するために紫外線は必要だったりします。全然ないと困っちゃうので。。。

なぜ新国立競技場はコストをごまかすのか。

新国立競技場のニュースが面白すぎます。

新国立2520億円でも無理だった 周辺整備費72億円を未記載(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150713-00000292-sph-soci

なんということでしょう。
1625億という見積もりに含まれていた、周辺整備費を入れずに2520億円と伝えてたんですね・・・。んーこの誠実さのかけらもない発表。不信感バリバリです。

さて、せめて決めたのなら堂々とコストなんて発表すればいいのに、なぜそうしないのか。それは、単純に発生費用が大きい、というだけではなく国家プロジェクトとして見ても実は「破格」の大盤振る舞いの費用になっているからなのです。

というわけで、有名な国家プロジェクトと比較してみました。

なんと・・・
国産ジェット開発費よりも高いじゃないですか!
あの「2位じゃダメなんでしょうか」で有名なスーパーコンピューター「京」の開発費ですら太刀打ちできない金額。
この予算なら余裕で1位になれます。
はやぶさ2に至っては、なんと10回打ち上げられちゃうんですねー。
キールアーチやめれば、木星探査ぐらいは余裕でしょう。

オリンピック競技場の建築コストとしては間違いなく、ぶっちぎりの世界第一位。
そりゃあ、真っ正直に発表でもしようものなら各方面から叩かれることは間違いありません。

蓮舫議員にはもう一度、あの名言を発言して欲しいものです。
「2位じゃダメなんでしょうか!!!」
間違いなく話題になりますよ!


※金額について
はやぶさ2 264億円、京 1,111億円 MRJ 1,800億円 新国立競技場 2,520億円
それぞれの数字については下記リンク記事を参照し必要なものは数字を合算した。

はやぶさ後継機、開発費148億円に 14年打ち上げ  :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG16028_W0A710C1CR0000/
理研ホームページより「京の開発資金について」
http://www.aics.riken.jp/jp/overview/budget/development_cost.html
【連載】基礎からわかる!MRJ(最終回)真の「国産化」へ、50年後の未来は
https://newswitch.jp/p/510

常温核融合のニュースを肯定してみる

さて、こんなニュースがありました。

「試験管内の太陽」 似非科学のレッテル外れ再び熱気  :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO87857740Z00C15A6000001/

常温核融合!といえば似非科学の代名詞。
STAP細胞騒ぎの時によく比較されてたのでご存知の方も多いと思います。「常温核融合は本当にあったんだ!」的なセンセーショナルなニュースなのですが、記事の書き方が実に稚拙。結局、要約すると事実としては2点だけなのです。

常温核融合関連のセミナーが実施されたよ!
・いんたーねっつで実験成功のニュースが報じられてるよ!

なんでしょうか、長々と文章を読み込んだ挙句の空しさは。。。実験成功、というのはベンチャー企業などの自主研究でデータは空かせないから不明なんですと。なぜ、こんな状況でニュース化しようとしたんでしょうか。正直理解に苦しみます。

ただ、このニュースとその関連情報を見ていると、常温核融合の主張は微妙に変化をしているようです。まずですね、名前が変わってます。「凝集系核科学」というそう。これは、常温での核融合というストーリーがどうにも作れなくなったから・・・ということもあるでしょうし、発表されている事象も常温核融合の時とは少し違うんですよね。
そこで、もし私が、このニュースの記者だったら、どういう肯定記事を書くだろうか。ちょっと実験的に書いてみました。

※私が常温核融合を肯定しているわけではありませんので、その点はぜひ誤解なきよう・・・

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■あの「常温核融合」がかえってきた?

 2015年5月14日、東京都目黒区の東京工業大学蔵前会館で、「凝集系核科学の現状と将来」と題したセミナーが開かれた。100人近い参加者のうち、約3割が企業に所属する研究者が占めた。
 「今日の発表が本当なら、これまでの物理学を覆す革命的な現象だ。なぜ、これまで世間で騒がれなかったのか」。
 初めて研究成果を知った参加者からは、こんな驚きの声が上がった。
 凝集系核科学とは、金属内のように原子や電子が多数、集積した状態で、元素が変換する現象を研究する分野。
 これは、1989年に世間を騒がせた「常温核融合(コールド・フュージョン)」に連なる研究テーマなのである。

常温核融合は否定された科学

 1989年、マーティン・フライシュマン教授とスタンレー・ポンズ教授の二人は、
パラジウムの電極を重水素の溶液中で電解したところ、化学反応では説明できない大量の熱(過剰熱)が発生した」
 という実験結果を報告し、世界中にセンセーションを巻き起こした。

 軽い元素が融合して重い核種に変わる「核融合」は、その際に膨大なエネルギーを放出する。太陽の輝きの源泉だ。それを発電システムに活用する「核融合炉」の実用化を目指し、フランスや日本などは、国際協力の下で「ITER(国際熱核融合実験炉)」の建設を進めている。核融合炉を実現するには、1億℃以上のプラズマ状態の反応場が必要になる。研究の主力は、巨大なコイルによって磁場で閉じ込めておく手法だが、当初の目標に比べ実用化は大幅に遅れている。
 この二人が発表した常温核融合では、こうした大がかりな施設が不要で、基本的には水の電気分解と同じような簡単な装置で核融合が実現できるとされ、「試験管の中の太陽」とも呼ばれた。

 だが、この報告を受け、各国で一斉に追試が行われた結果、米欧の主要研究機関が相次いで否定的な見解を発表し、権威ある学術雑誌「Nature」や「Science」では、この常温核融合に関する論文は一切掲載しないという方針となっている。常温核融合は完全に否定されていると言ってよいだろう。

■凝集系核科学が提唱している「核種変換」とは。

 凝集系核科学というのは、当時の常温核融合実験のようにバラ色のエネルギーとなる「過剰熱」の存在を主張しているわけではない。常温核融合の実験に使われたパラジウムは水素を多量に吸着する能力を持っており、触媒としてよく使われる金属でもある。そこで、パラジウムに多量に吸着した元素が何らかの形で「核種変換」を起こしているのではないか・・・というのが凝集系核科学の言い分である。核融合ではない、未知の反応があるのではないかということを投げかけているのだ。

 いくつかの研究レポートでは、過剰熱については否定しているものの、重水素や酸素以外の(つまり最初には存在しなかった)反応生成物が確認できるとしている。例えば、経済産業省(当時は通産省)が財団法人として認可したエネルギー総合工学研究所では、1994年から1998年にかけて、この常温核融合についての検証実験を行った。常温核融合については否定的な見解であったが、反応生成物の存在については「統計上有意」に認められたとしている。もし、過剰熱が得られないような反応であっても、核種変換が起こせるのであれば、これは現代の錬金術となりうる。
 2015年4月、東北大学の電子光理学研究センターでは、このテーマに取り組むため「凝集核反応研究部門」という組織を作った。核種変換は本当に起きたのか。これは、今まさに研究され始めた分野と言えるだろう。
 
■核種変換は実在するのか?

 この答えを知るには、再現性のある実験が行われる必要がある。
 実験でヘリウムなどの反応生成物が確認できれば実在するし、確認できなければ実在しない。残念ながら、相次ぐ論文や研究団体の発表は、凝集系核科学を肯定する研究者のものが多く、信頼性の高い情報はまだないようだ。また、原子核という強固なものが、そんな簡単な手順で変化するということについては、仮説のメドすら立っていないのが実情である。キュリー夫人放射性元素を発見するまで、世の中を作っている原子というものは永遠に変化しないものと信じられてきた。もし核種変換が実在するとしても、その理論的確立には相当の困難が予想される。
 東北大学の電子光理学研究センターで凝集核反応研究部門を率いる笠木名誉教授は、
「凝集系核科学の研究では、本来、核融合を阻止するクーロン反発力(同じ電荷の粒子同士が反発する力)をどう乗り越えるのか、粒子・放射線を放出しない核反応は可能か、という重要な問いかけに回答しなければならない」
 と話す。
 現時点では仮説の域を出ないが、もしこの反応が実在すれば大きなインパクトを科学界に与えるだろう。
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どうでしょうか。
ちょっとそれらしくなったのでは。

結局、肯定派の主張を整理すると
「実際にヘリウムなどの元素が検出されているんだから本物!」
ということみたい。wikipediaを見ると、経産省が検証実験を行って「反応生成物については確認」という感じで書かれており、えぇ?マジ?と思いましたが、上の記事にも書いた通り、実際には一般財団法人の研究で、経産省との関連についてはソースを確認できませんでした。こちら、研究結果の報告書も一般公開されていないため、かろうじて要点の箇条書きが拾えた程度です。でも、反応生成物は出たって書いてあるんですよねー。

エネルギー総合工学研究所
http://www.iae.or.jp/report/report_summary/report_summary_fy09/#4.18

とにかく。
そもそも常温核融合似非科学としてレッテルを貼られている以上、肯定派の研究結果をどこまで信じていいかよくわかりません。「実験データを示されても、その実験が信用できねぇよ!」というやつです。STAPもそんな感じでしたね。ですから、凝集系核科学をまっとうな科学として扱うには、肯定派の研究者からではなく、より中立的な筋からの追試が必要でしょう。ちょうど、東北大学は国立大ですし、オフィシャルな研究機関だと言えます。産学連携ということでなんかお金は入ってるかも知れませんが、状況を変える発言がなされるかも知れませんね。好意的に考えるなら、こうした研究が公費を使ってなされているということで、何らかの科学的発見が期待される分野なのかも知れません。
もちろん、全部眉唾、ということだって十分ありえます。

白にせよ黒にせよ、いずれ続報が入ってくるといいですね♪

日本国は知性を有しているのか。統合情報理論から考えてみた。

最近の新国立競技場のドタバタを見ていると、有識者と呼ばれる人たちの知性を疑いたくもなる今日この頃です。
さて、そんな知性についてですが、最近の研究ってずいぶん進んでるんだなぁと感じさせてくれる本がありました。

意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論
ジュリオ・トノーニ/マルチェッロ・マッスィミーニ (著)

これですね、昨年の秋ごろだったかにやってた、NHKスペシャルで「臨死体験」とかいう怪しげなタイトルのスペシャルがあったんですけれども(内容は全然怪しくなかった)、そこでナビゲーターの立花隆さんがインタビューに伺っていたのがこのジュリオ・トノーニさん。意識の総量を測るφという単位がとっても刺激的でした。

めちゃめちゃ簡単に要約すると、意識というのは統合された情報に宿るという話です。
統合された情報、というのは、脳であれば神経細胞が別の人間細胞とごちゃごちゃつながっている状態を指すんですが、この「複雑度」、取りうるパターン数をφとおこうと。
一つ一つの神経細胞は、ニューロンを発火させるか、させないかのゼロイチの情報しか持っていないわけですけれど、これらが複雑に絡み合った状態が意識というわけですね。
寝てるときはこの統合状態がほどかれるので意識はなくなり(意識レベルが低下し、といったほうが正しいのか?)統合されると意識が戻るという感じ。
ネットワーク系のITとかやってる人は、ノードとリンクという風に理解すると早いかも。

さて、ここで表題の日本国云々の話について。
果たして「国」は知性を宿しているのか・・・という疑問です。
意識がノードとリンクで説明できるなら、ノード=人、リンク=人のつながり、と捉えれば、そのまとまりである社会構造も意識を持つということになります。
上記書籍では、大脳を、脳幹で二つに分断する手術を行ったてんかん患者は「意識を二つ」持ってしまった、という事例が紹介されていました。
大脳の神経細胞数はおおよそ140億だそうです。ひとつの神経細胞が他とつながっている数は15,000個ぐらいだそう。
もし、半分になっても意識を持つのなら、4分の1、8分の1でも意識があるのでは?
そこそこの人口を誇る我が国だって意識・知性を持っているのではないでしょうか。。。

というわけで、ざっくり見積もってみたいと思います。
まず、いろいろな動物の神経細胞数を書き出してみましょう。

人間 140億
イルカ 100億
チンパンジー 80億
アカゲザル 50億
カラス 2億
タコ 1.7億
ニワトリ 3,000万
ゴキブリ 1200万
ハエ 34万
ザリガニ 14万
センチュウ 300

1人の人間と1つの神経細胞が等価であるとみなせるでしょうか。
知り合いが15,000人もいるというのは、かなりの社交性ですが、ネットで呟いたりするとインプレッションは多い時で1万ぐらい行くでしょう。
また、神経細胞ニューロンの発火オン・オフのゼロイチ情報ですが、人間は遥かに多いビット数を扱っているハズ。
等価である、とみなしちゃいます。

そうすると・・・日本の人口は1億2千万人。
上のリストに当てはめると・・・タコぐらい!www
ちなみにタコって、めっちゃ頭良いです。人間のマネをして瓶のふたを回して開けたり、道具を使うぐらいの知能があります。
遥か宇宙から、超巨大な生命体が地球を見たときに、日本を見て、人間を「日本を構成する細胞」と見たときには、「タコみたいな生命体が生存している・・・」という報告でもするんでしょうか。面白いですね。

ちなみに、最近クラスを騒がせている非行少年のギリシャですが、こちらの人口は1,100万人だそう。
上のリストに当てはめるとゴキブリと同じということになりますね。。。
いえ、ディスってるわけではありませんwww

こうして考えると、国家ぐらいの単位になると、それ自体が意思を持っちゃって、個人(例えば大統領みたいな)では制御が難しいということはあるかも知れません。
一方、企業単位(例えば従業人が数千人)であれば、企業の意識よりもトップの意識レベルのほうが圧倒的に高いので、強力なトップダウンがあれば制御できそう。

なんていうことを、ちょっと考えてみました。

追記

さて、最近話題の新国立競技場で、アホ計画を進めているJSCもこの表に当てはめてみましょう。HPで公開されているJSCの職員数は349人。つまり・・・組織としてはセンチュウなみの知能ということでしょうか・・・


※参照ページ
つながり数(樹状突起数)
http://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E9%8C%90%E4%BD%93%E7%B4%B0%E8%83%9E

神経細胞
人間・イルカ・チンパンジーアカゲザル
http://web2.chubu-gu.ac.jp/web_labo/mikami/brain/10/index-10.html
イルカ
http://d.hatena.ne.jp/cool-hira/20131002/1380661649
カラス・ニワトリ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37451?page=3
タコ・ゴキブリ・ハエ・ザリガニ・センチュウ
http://blog.livedoor.jp/touxia-evolution/?p=2

※注釈その2
本来意識を把握する上では「大脳」が重要となる。
ここで書いている神経細胞の数が大脳に値するものかは確認できず。
脳の仕組み自体がそういう形になっていないものもあると思われる。
また、体が大きいとそれを制御するための神経細胞数は増えることについての考慮もしておらず。